ご来場のみなさま
「緒方貞子さんと聖心の教育」展示にようこそお越しくださいました。
緒方貞子さんが 2019年10月22日に逝去され、本学第一期生であった緒方貞子さんを偲ぶ追悼展示を同年 12 月半ばより開きました。もっと詳しい展示を見たいという多くの声を受け、このたびあらためて「緒方貞子さんと聖心の教育」をテーマに展示を開催いたします。
緒方さんが聖心女子大学の学生時代に大きな影響を受けたと語る初代学長マザーブリットの教育ビジョンは、人間を大切にし、社会の変革に関わることのできる賢明な女性を育成することにありました。マザーは戦後間もない困難な時代に、驚くべき経営能力をもって大学の開学および発展のために尽くすと同時に、常に学生一人ひとりへの細やかな配慮と指導を欠かしませんでした。一方、緒方さんは、難民支援や国際協力の場で、常に現場に出向いて人々の声を聴くことを重視し、人間の尊厳と命を守ることを最優先にした、時には英断とも言われる支援を強靭なリーダーシップをもって実行しました。緒方さんが描いた人間の共存、連帯、平和構築、そのための“人間の安全保障”の概念と実践は、聖心の教育の源にも在るものです。
“緒方さんの信念”と“聖心の教育”の間に響き合うものがあるとすればそれは何か、展示を御覧になられた皆様と共に探し考え、新たな気づきや次の時代に繋がる実践のきっかけになれば幸いです。
2021年5月
聖心女子大学グローバル共生研究所
第1期での展示に加え、第2期では緒方さんの思いを受け継いで尽力する人々の動画や、新たに見つかったマザーブリットの写真などを紹介します。