纏足という言葉を聞いたことがありますか?纏足とは、前近代の中国で行われた、女性の足を布で縛り小さく変形させる慣習です。纏足は美と女性らしさの象徴でした。
纏足が実際に行われた証拠が残っているのは13世紀以降で、纏足を最初にしたのはエリート階級の女性でした。農作業に不向きな纏足は社会的地位の高さの指標の1つだったのです。17~18世紀になると、紡織の発達と木綿生産の普及を背景として、農民の娘たちも屋内労働をする機会が増え、競って纏足をするようになりました。
心を鬼にして
纏足を…
骨がまだ柔らかい少女の足のくるぶしから下を細長い帯状の布できつく縛り、小さく変形させます。少女たちは痛みに苦しみましたが、纏足は結婚の条件にもなったため、母親は心を鬼にして纏足を行いました。
“三寸金蓮”の
美しさ?
“三寸金蓮”とは纏足の美の比喩。三寸は10cm弱、纏足した足の理想的な大きさを示しています。金蓮は、土を踏んでも清らかさを失わない纏足の足を、蓮の花が泥から出てきても汚れに染まらない様子にたとえています。纏足は、顔以上に女性の美の基準となっていました。