ご挨拶

「子どもと不条理展」について

現代ほど「子ども」にとって不条理がはびこる時代はないのではないでしょうか。罪もない子どもたちが苦難を強いられる状況は古今東西でありましたが、現在では気候変動による自然災害や生物多様性の消失、戦争による食糧やエネルギーの危機など、地球規模の課題が私たちの生活を覆い、その最たる犠牲者として立場の弱い子どもたちを窮状に追い込んでいると言えるでしょう。

2023年5月から1年半ほどにわたり、聖心グローバル共生研究所の展示スペースであるBE*hiveで「子どもと不条理」展を開催します。戦争や環境破壊に関する大人による作品や不条理下で苦難を強いられた子どもたち自身の表現をお伝えし、体験者は何を感じ、考え、表したのかを吟味することによって戦争の本質について立ち止まって考えていただきたいという願いのもとに、今回の展示を準備させていただきました。

このBE*hiveの名称は UNESCO(国連教育科学文化機関)の打ち出した学習の概念である“Learning to be”、すなわち「人間存在を深める学び」から着想を得て名づけられました。グローバル化や情報技術の急速な発展と共に、予測困難な時代が到来したと言われますが、そんな時代であるからこそ立ちどまって考え、他者とつながり、希望の時代が紡がれていくような学びが生まれることを期待しております。

第I期(2023年5月15日〜10月23日)の「子どもと戦争」に続いて、第II期(2023年10月30日〜2024年5月20日)は「子どもと放射線」を特集し、第III期(2024年5月7日〜10月21日)は「子どもと希望」について展示をしていく予定です。どうぞこのユニークな学びの時空に身を委ねて、過去と未来に想いを馳せて下さい。BE*hiveでの時間が皆さまの人生の糧となることを切に願っております。

制作・デザインチーム
聖心女子大学グローバル共生研究所副所長/教育学科教授 永田佳之
教育学科教授 水島尚喜
株式会社森岡書店代表 森岡督行
柳澤智子