世界にはさまざまな結婚の形があります。
結婚によって女性の生き方は、大きく左右されがちです。
さまざまな結婚の形のなかで、今回の展示では「児童婚」を取り上げます。
「児童婚」とは、主に女性(少女)が幼いうちに結婚する「早すぎる結婚(Child Marriage)」のことです。
本展示では、前半のChapter1で世界各地で今なお残る「児童婚」の現状とその要因を探り、後半のChapter2で「児童婚」状態を脱却していった幕末明治の日本の結婚のあり様を紹介して、両者を比較して考えられるような展示を目指しています。
世界における「児童婚」の実態を知ると、「児童婚」が生み出される背景や要因には現代日本社会が抱えている諸課題と共通する部分もあることに気づかされます。
「児童婚」は果たして遠い国の過去の出来事なのか。
現代日本に生きる私たちには本当に無関係なのか。
「児童婚」の実態とその背景にあるものを考え、
そこから、私たちがより良く生きていくためには何が必要なのか、を問い直してみて欲しいと思っています。
それが、私たちの行動や未来を考えることにつながっていくことを願っています。
聖心女子大学現代教養学部 国際交流学科
教授 小川早百合
教授 小川早百合