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『大学生からの質問―日本にいる難民の現状と課題―』シンポジウムが開催されました

2018年1月16日、『大学生からの質問―日本にいる難民の現状と課題―』シンポジウムが開催されました。

私たちは「難民問題」と聞くと、一見難しく、どこか遠い国の問題と考えてしまいがちですが、実は日本にも多くの難民が暮らしています。当日は、法務省の菱田康弘氏、UNHCR駐日事務所の川内敏月氏、難民審査参与員の池上清子氏、社会福祉法人さぽうと21の吹浦忠正氏、UNHCR難民高等教育プログラム奨学生のホワ グム ラット ゾウ氏の5名をパネリストに迎え、学生からの質問にお答えいただきました。

学生の質問は、核心に触れたものばかりです。日本はなぜ、難民受け入れ数が少ないのか。なぜ、難民でない人が難民申請をしてしまうのか。難民を生み出す国の問題を解決せず、難民を振り分ける策は本当に最善なのか・・・

学生の疑問に対して、パネリストからお答えいただく中で見えてきたのは、日本の難民問題を取り巻く、一筋縄ではいかない現状でした。「難民問題」と一口に言っても、皆、国籍も違えば、難民認定者、申請中の人など様々な人がいて、それぞれの抱える問題は多岐に亘ります。

「難民」という言葉で括られた中に存在する「多様」な人びとが、暮らしやすい社会を生み出すにはどうするべきなのか。それはもはや難民問題という枠組みだけで語ることはできません。日本社会、ひいては私たちがどうあるべきなのか、問い直す必要があります。

今回のシンポジウムは、学生にとって、「難民」という言葉の一歩向こう側に、踏み出すきっかけとなったのではないでしょうか。

(増田京美 聖心女子大学 文学部国際交流学科4年)